放射線科このページを印刷する - 放射線科

<放射線科の基本理念>
  • 医療を求める人びとに奉仕します
  • チーム医療の一員として行動します
  • 専門分野の責任を全うします
  • 人びとの利益のために、常に学習します

■放射線科について
当院では、放射線(エックス線)を用いた画像診断、放射線治療、放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を用いた核医学検査と放射線を使わないMRI検査を行っています。所有装置は、一般撮影装置(CR)2台、MDCT装置1台、MRI装置1台、X線TV装置1台、連続血管撮影装置1台、移動型エックス線装置3台、ガンマカメラ1台、ライナック(放射線治療)装置1台、位置決め装置1台、外科用イメージ1台です。

■放射線の安全性について
放射線を浴びないに越したことはありませんが、医療用の放射線で身体に悪影響が出ることはほとんどありません。病院では、医師の判断のもとで診断に必要とされる放射線検査を行います。医師は、放射線の被ばくによるリスク(害)と検査による便益(利益)を勘案して、検査の必要性を判断します。

■放射線科の検査について
一般撮影、CT検査、MRI検査、RI(核医学)検査、血管造影検査および放射線治療を主に行っています。

一般撮影

一般撮影 一般撮影
胸部や腹部、骨などのX線写真を撮影します。撮影する部位によって、息を吸ったり吐いたりした状態で息を止めていただきますが、息を止める時間はとても短いのでご安心ください。撮影の部位や方法によって、立って撮影したり、椅子に座って撮影したり、ベッドに寝て撮影したりします。
【注意点】~一般撮影を受けるにあたって
X線写真には、ボタンのようなプラスチック類、ネックレスのような金属類、湿布薬のような貼り薬も写ってしまいます。これらのものが撮影する部位に無いように準備していただきます。胸部X線写真を撮影する場合には、Tシャツや肌着程度なら着たままでも可能ですが、厚いプリントや刺しゅうがある等の場合は検査着に着替えていただくこともあります。

CT検査


【SIEMENS SOMATOM Perspective】
この検査は、X線を用いて人体の横断面(輪切りの写真)を画像化する検査です。痛みを伴わずに体内の様子を知ることができます。X線写真と同じように、撮影する部位によって息を吸ったり吐いたりした状態で息を止めていただきます。息を止める時間は撮影方法により異なりますが、およそ10~20秒程度です。検査時間は、部位にもよりますが、5~15分程度です。
CT検査には次の2種類の検査法があります。
◆単純CT検査:造影剤(※)という薬を使用せずに撮影する検査
◆造影CT検査:造影剤という薬を使用して撮影する検査
※造影剤は検査する部位(臓器)をより詳しく調べる目的で使用する薬です。

【注意点】~CT検査を受けるにあたって
◆単純CT検査
○撮影する部位に金属が無いようにしていただきます。プラスチックや貼り薬は撮影に問題がありません。
○次に該当する方は、必ず事前にお知らせください。
  • 妊娠をしている、または妊娠の可能性がある場合。
  • ペースメーカー、ICD(植込み型除細動器)を使用している場合。
◆造影CT検査
○撮影する部位に金属が無いようにしていただきます。プラスチックや貼り薬は撮影に問題がありません。
○次に該当する方は、必ず事前にお知らせください。
  • 妊娠をしている、または妊娠の可能性がある場合。
  • ペースメーカー、ICD(植込み型除細動器)を使用している場合。
  • 過去に造影剤を使用した検査で気分が悪くなった場合。
  • アレルギー(ヨード、食物、薬などによる蕁麻疹など)がある場合。
  • 気管支喘息、腎臓病、甲状腺などの病気がある場合。
○検査当日の食事制限があります。
  • 午前の検査の場合:朝食を摂らないでください。
  • 午後の検査の場合:昼食を摂らないでください。
※水やお茶に限り、水分摂取可能です。(乳製品は、消化酵素が分泌されてしまうのでお控えください。)
※服用中の薬については医師からの指示がない限り、通常通り服用してください。

MRI検査


【SIEMENS MAGNETOM Synphony1.5T】
この検査は、大きな磁石の中に入っていただき、電波を使って身体の断層像(横断像、矢状断、冠状断など)を撮影する検査です。痛みを伴わずに体内の様子を知ることができる点ではCT検査と同じですが、放射線を使わない、時間がかかるとういう点で大きく異なります。検査中は、ベッドに寝ていただき、狭い空間(トンネル)に入ります。装置からは連続的にドンドンドン、カンカンといった大きな音がします。3分程度の撮影を5~10回程度繰り返し行いますので、一連の検査で20~40分程度かかります。

MRI検査には次の2種類の検査法があります。
◆単純MRI検査:造影剤(※)という薬を使用せずに撮影する検査
◆造影MRI検査:造影剤という薬を使用して撮影する検査
※造影剤は検査する部位(臓器)をより詳しく調べる目的で使用する薬です。

【注意点】~MRI検査を受けるにあたって
○MRI装置は常に磁場を発生しているため、検査室に入る前に身体の確認をさせていただきます。
○当院では、次の方は検査ができません。
  • 心臓ペースメーカーを体内に入れている方
○次のような方は検査ができない場合がありますので、必ず事前にお知らせください。
  1. 外傷や手術で体内に人工関節や脳動脈クリップなどの金属がある方
  2. 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方
  3. 閉所恐怖症など狭い場所で安静を保てない方
  4. 刺青のある方
  5. 造影剤使用の予定の方で、喘息(ぜんそく)がある方 など
○次の物は、身体に損傷(主にやけど)を及ぼしたり、破損したり、検査に影響することがあるので、取り外していただきます。
  1. 時計、指輪、ネックレス、イヤリング、ピアス、ヘアピン、携帯電話など
  2. 眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、入れ歯、貼り薬、エレキバン、カイロなど
  3. 磁気カード(キャッシュカード、駐車券)など
  4. 金属のついている下着(ブラジャー、スリップなど )
  5. 発熱保温効果のある衣類。(ヒートテック®、ブレスサーモ®など)
  6. 化粧品(多くの場合、金属粉を含んでいるため、化粧を落としていただく場合があります)

◆造影MRI検査
○次に該当する方は、必ず事前にお知らせください。
  • 過去に造影剤を使用した検査で気分が悪くなった方
  • アレルギー(食物、薬などによる蕁麻疹など)がある方 
  • 気管支喘息、腎臓病、甲状腺などの病気がある方
○検査当日の食事制限があります。
  • 午前の検査の場合:朝食を摂らないでください。
  • 午後の検査の場合:昼食を摂らないでください。
※水やお茶などの水分摂取は構いません。
※服用中の薬については医師からの指示がない限り、通常通り服用してください。

RI検査


【東芝 E・CAM】
RI検査とは、微量の放射線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)に、臓器や組織に特異的に集まる薬を標識し、注射や吸入より体内に取り込み病気の有無を調べる検査です。核医学検査とも言われます。
目的とする臓器や組織に集まった薬は、そこから放射線を体外に向けて放出します。その放射線をガンマカメラと呼ばれる専用の装置を用いて画像化します。

【当院の主な検査と前処置】
◆骨疾患検査(骨シンチグラフィー):静脈注射後2時間以降に検査します。検査直前に排尿をお願いします。
◆腫瘍・炎症疾患検査(ガリウムシンチグラフィー):静脈注射後2~3日後に検査します。全身撮影の場合は撮影前日の夜に下剤を内服していただきます。
◆心筋血流検査(心筋血流シンチグラフィー):検査前の食事を控えていただきます。
◆肺血流検査(肺血流シンチグラフィー):特にありません。
◆肺換気検査(肺換気シンチグラフィー):特にありません。
◆脳血流検査(脳血流シンチグラフィー):特にありません。

【注意点】~RI検査を受けるにあたって
○妊娠中、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は事前にお知らせ下さい。
○RI検査はすべて予約制です
○撮影部位の金属類を外していただきます。

【放射線の影響について】
放射性医薬品を体内に投与するため、ごく微量の放射線が出ますが、検査を受ける本人や、周辺の人への影響について心配はいりません。時間と共に放射線量(放射能)は減少し、ほとんどの薬は各臓器に取り込まれた後、尿や便の中に排泄されます。

放射線治療


【エレクタ製Synergy】
放射線治療は、組織を切除せずに出来るだけ機能を残して、がんなどの病巣を縮小もしくは消失しうる治療法です。 病巣にダメージを与える強さの放射線を使用するので、副作用が発生する場合があります。
その点を患者さまが十分にご納得のうえで、病気の種類や状態に応じた治療計画を行い、放射線の種類や治療期間等を決定します。治療期間は内容により2週間~6週間を平日(月~金)毎日行います。入院せずに通院での治療も可能です。患者さまには予定の治療が終了するまで、なるべく休まず治療を続けていただきます。治療に関するご心配やご質問などございましたら、その都度お知らせください。
放射線治療期間中は週に1回、放射線治療医師の診察があります。病気の状態、放射線治療の効果、副作用などを診察しますので、安心して放射線治療が受けられます。

【主な副作用】
放射線を当てる部位によって異なり、通常は放射線を当てた部位だけに影響が出てきます。放射線が当たる皮膚は、日焼けしたときのように赤くなりヒリヒリ痛みが出ることがあります。首や胸の中央に放射線が当たると、食べ物を飲み込むときに違和感や痛みを生じることがあります。
頭部:髪の毛などの脱毛、頭痛、吐き気
頚部:食道の炎症
胸部:肺炎、食道の炎症
骨盤部:下痢

【注意点】~放射線治療を受けるにあたって
毎回同じ場所に放射線を当てるために、皮膚に印を付けさせていただきます。これを目印として放射線を当てますので、治療期間中に印が消えないように注意してください。入浴は可能ですが、印を強くこすると消えてしまいます。また放射線を当てる際には、印が見えるように衣服を脱いでいただきますのでご了承ください。

血管造影検査


【PHILIPS Allura Xper FD20】
 
当院では、心臓血管カテーテル検査、大動脈造影、肺動脈造影、気管支動脈造影や胸部各血管圧測定を主に行っております。
首、腕、脚の付け根の動脈または静脈からカテーテルと呼ばれる細いチューブを挿入し、目的臓器の主幹血管から造影剤を注入しながら連続でX線撮影を行います。血管走行や血流状態を観察したり、専用のカテーテルで血管内圧を測定して肺や心臓にかかる負荷を調べたりします。

【注意点】~血管造影検査を受けるにあたって
当院では入院して検査を受けていただくことになります。検査後は数時間安静にしていただきます。